障害者も活躍する北海道の農業求人。農福連携の就労支援事業所5選

障害者も活躍する北海道の農業求人。農福連携の就労支援事業所5選

高齢化や人手不足が深刻な農業の現場ですが、そんな農林水産業の光明になりそうなのが人手不足の農業と雇用機会が少ない障害者福祉をマッチングしていこうという政策「農福連携」です。

特に北海道農政事務所が筆頭となり、農福連携事業が活発になっています。さらに精神障害者にとって農業は心身に良い影響があるとも言われています。

今回この記事では、「北海道地域の農業分野における障害者就労促進ネットワーク」の会員から農業に関われる就労支援事業所を厳選し、北海道で農業を通じた雇用促進を行う魅力的な企業を5つご紹介します。

無農薬・無肥料の野菜を作ろう「千歳わくわくファーム」|北海道千歳市

「合同会社暮らすと働く」と、介護福祉士やケアマネージャーの資格を有する「農家」のコラボレーション。2019年4月、千歳わくわくファームは農福連携施設を作る費用をクラウドファンディングで募って大成功。就労支援B型施設「千歳わくわくファーム」としてオープンしました。

合同会社暮らすと働くの佐々木代表は、もともと就労継続支援施設と就労移行支援の会社に勤務していましたが、自らが糖尿病を患ったことがキッカケとなり、食生活について考えるようになったとのこと。「自然栽培ただし~農園」を営む高橋氏との出会いもあり、理想の農場を完成させました。

農場で栽培するのは、「黒千石大豆」「にんにく」がメイン。にんにくというと青森が有名な生産地ですが、実は北海道も日本ではTOP3の収穫量です。

夏は栽培メイン、冬は採れた大豆で味噌の加工作業という仕組みで雇用を創出。にんにくなど他の野菜は、地域のマルシェにも出店して販売もしています。佐々木代表が1年を通した雇用を実現するために考えた、理想の就労継続支援事業所です。

【出典】千歳わくわくファーム

農作業からパソコンスキルまで「一般社団法人 とーもす」|北海道北広島市

ITや会計の技術の訓練を受けながら働ける「一般社団法人 とーもす」。農業分野でも障害者福祉に貢献しています。一般社団法人とーもすでは、個人に合わせた作業ペースと作業内容を組み立て。最終的に一般就労を目指して就業に必要なスキルや体力を身に付けられる支援事業所です。

作業時間は朝09:45~15:15の間で、休憩を含むと実質3時間労働。疲れやすかったりする精神障害のある方でも、余裕を持って勤務できます。作業内意用は農作業を始めとして、花の育成や草刈り、野菜の販売も行っています。

室内でできる軽作業やパソコンを操作する作業もあるため、シーズンオフでも利用できます。最初に施設見学や事業内容の説明、体験利用も可能とのこと。自分自身で働く環境を見てから利用できる北海道の障害者雇用を促進する就労支援施設です。

【出典】一般社団法人 とーもす

季節関係なしで働ける「社会福祉法人 雨竜園 雨竜町暑寒の里」|北海道雨竜郡

のどかな風景のホームページが特徴的な「社会福祉法人 雨竜園 雨竜町暑寒の里」。北海道農政事務所とも連携して福祉施設を運営する会社です。障害者支援だけでなく共同生活援助事業や相談支援事業も運営しています。

そんな暑寒の里が就労継続支援事業所として運営しているのが「実の里」。メロンやじゃがいも、水稲栽培を行っており、冬になると外部から委託を受けた軽作業を行っています。

他にも老人福祉施設での清掃作業や資源ごみの回収、なんと道の駅でアイス作りといった活動も行い、高い地域貢献を実現しています。

就労支援では社会参加が重要な要素です。生き甲斐を見つけつつ、地域活動を通じた社会参加により工賃アップを目指していく。暑寒の里は地域との触れ合いにより雇用を促進していく就労支援事業所と言えるでしょう。

【出典】社会福祉法人 雨竜園 雨竜町暑寒の里

作った野菜がレストランの料理に「株式会社 来夢」|北海道函館市

グループホームやデイサービス、そして観光農園から学童保育所の運営と、幅広い事業を展開するのが「株式会社 来夢」。来夢では「農業」「レストラン」「就労支援」を掛け合わせ、高度な農福連携を実現しています。

屋外作業だけでなくビニールハウスでの栽培も行っており、幅広い農作業を実現。さらに自分たちで作った野菜が系列のレストランで使われるため、責任感が芽生え、達成感から自信にもつながります。もちろん個人に合わせた作業が割り振られるため、安心して就労することができます。

送迎バスもあり、さらに今後はレストランや物販店を追加で作る予定もあるとのこと。自分たちが作った野菜が、そのままお客様に提供されるという達成感も得られるでしょう。雇用促進という点で来夢の事業展開には目が離せません。

【出典】株式会社 来夢

作業内容がとにかく豊富「株式会社テイクワン」|北海道恵庭市

就労移行支援と就労継続支援B型の事業を行っている「株式会社テイクワン」。もともと代表の落合信也さんの実家が就労支援施設を運営されていたのがきっかけで、独立して就労支援を始めました。

株式会社テイクワンの特徴は何と言っても「作業の豊富さ」。自社の事業とは別に地域貢献事業や外部からの委託作業もあり、ホームページに掲載されているだけでも以下のような事業を行っています。

  • 羊毛フェルト
  • レザー
  • ビーズアクセサリー
  • クロスステッチ
  • キャンドルクラフト
  • 商店街イベント
  • 花壇の整備
  • 農作業
  • 製本作業

農作業においては、地元の農場から依頼を受けたトマトやたまねぎ等の栽培という農福連携事業です。地域の花壇を整備する事業も行い、地域の活性化に貢献しています。

また、作業内容等も経験の豊富なスタッフが個人に合わせてサポート。これまでに就労支援を受けた多くの人が、企業への正規雇用での就職に成功しています。

落合代表が企業と障害者の橋渡し役となり、マッチングを行うこともあるとのこと。農福連携だけでなく、幅広い分野で障害者雇用を実現する就労支援事業所です。

【出典】株式会社テイクワン

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