境界性パーソナリティ障害(BPD)が疑われる有名人5選

境界性パーソナリティ障害(BPD)が疑われる有名人5選

極端な考え方をしてしまう、過度に感情の起伏が激しいなどの特性を持つがゆえに悩んでいる人は、案外多くいると言われています。

ただ、世の中の道徳や規範と大きくかけ離れた生き方をしてしまうため、周囲とのトラブルを引き起こしたり、自分自身が生活しづらくなるケースも少なくありません。

このような特性を抱える人は、「パーソナリティ障害」という精神疾患の可能性があります。決して珍しい疾患ではありませんので、皆様が知っている有名人にも当てはまる人が意外といるとされています。

実は人口の15%を占めるパーソナリティ障害。それだけに、今後この疾患が疑われる人と出会うこともあるかもしれません。実際、世界中の有名人にも境界性パーソナリティ障害(BPD)が疑われる人が多く存在します。

これから境界性パーソナリティ障害の特徴と、それが疑われる多くの人が知っている有名人を彼らのエピソードとともにご紹介します。

境界性パーソナリティ障害(BPD)の特徴

まずパーソナリティ障害とは、個人が属する社会の道徳やルールなどから著しく逸脱した考え方や行動を持ち、人格の偏りが見られる精神疾患です。

パーソナリティ障害にはいくつか種類があり、アメリカ精神医学会の診断基準では10種類が定められており、境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder:BPD)はその中の1つです。

アメリカが調べたパーソナリティ障害の有病率は、人口の15%程度で、女性に多いとされていますが、しかし、男性には現れないというわけではありません。

境界性パーソナリティ障害の特徴は、他人に「見捨てられるかもしれない」という不安を強く持つ点です。この症状は、「見捨てられ不安」と呼ばれています。

さらに、自分が見放されないよう異常なほど相手に執着したり、見捨てられそうだと感じたら急に態度が豹変し、相手を責めたり自殺未遂するなどして、自分が再注目してもらえるような行動をとることも少なくありません。

そのため、彼らは一定の感情を保っておくことが難しく、他人から見れば言動がコロコロ変わる人だと認識される傾向にあります。

この障害は、幼い頃の生い立ちが影響しているとされており、薬物療法やカウンセリングが主な治療法ですが、治療効果がなかなか得られないことも多く、緩和や回復までには困難を伴うのが現状です。

①太宰治(作家)

「人間失格」などを代表作に持つ太宰治は、昭和初期に人気作家として活躍しました。しかし、彼の華麗なる作家人生とは裏腹に、プライベートは波乱に満ちたものだったのです。

幼少期は自分の出身階級に悩み、両親に反発しながらも依存するという複雑な心理を抱え、他人から見捨てられたと感じると、どんなに尊敬する人物に対しても激しい怒りを向けていたと言われています。

さらに、鎮痛剤中毒で精神病院に入院したり、4度の自殺未遂を繰り返した後、最終的には自害するという形で人生を終えています。

②尾崎豊(歌手)

若者のカリスマと呼ばれた歌手・尾崎豊。幼少期は、転校先の学校に馴染めずに不登校となり、音楽に没頭。17歳でオーディションに合格し、一気にスターダムへと駆け上がります。

しかし、オーディション時に審査員から発せられたダメ出しに不信感を抱き、次のオーディションはすっぽかそうとしたというエピソードも残っています。

20歳を過ぎ、音楽の方向性を見失うと、突然無期限活動休止を発表したり、覚せい剤所持により逮捕されたり、結婚するも女優と不倫をするなど多くのスキャンダルも残しています。

その後、彼は26歳で覚せい剤の大量服薬(オーバードース)が原因で急性メタンフェタミン中毒が引き起こした肺水腫により急死しました。

③ダイアナ妃(元皇太子妃)

イギリスのロイヤルファミリーの中でも、印象深いダイアナ妃。しかし、彼女も華やかな笑顔の裏で、悲しい人生を過ごしてきました。

彼女は6歳の時に母親が愛人と逃げたことから、以後の生活も見捨てられ不安に悩まされ、家に仕える使用人を困らせ、何人も辞職に追い込んだと言われています。

チャールズ皇太子と結婚した後も、彼の愛が自分に向いていないことが分かると、階段から転げ落ちるなどの自殺未遂行動を繰り返し、うつ病や摂食障害にも悩まされました。

離婚後は慈善活動に力を入れるも、1997年に交通事故により非業の死を遂げています。

④マリリン・モンロー(女優)

男性のセックスシンボルとして、今も人気が高いマリリン・モンロー。ハリウッドの女優として、数々の映画に出演しました。

しかし、栄光の影では常に自信の無さが付きまとっていたとも言われています。

モンローは幼少期に両親が離婚し、母親も精神病院に入院したことから、孤児院などを転々とする生活を送りました。悲しい生い立ちゆえに、見捨てられ不安に苛まれていたようです。

その影響か、3度の結婚と離婚をするなど不安定な結婚生活を体験しています。

また、撮影現場での緊張からアルコールや薬に依存し、うつ病なども経験。人気絶頂だった36歳の時に、睡眠薬の大量服薬(オーバードース)により短い人生に幕を閉じています。

⑤ヘルマン・ヘッセ(作家・詩人)

ヘルマン・ヘッセは、「車輪の下」など数々の名作で知られるドイツの作家で、ノーベル文学賞も受賞しています。

ヘッセは宣教師の家に育ち、しつけが厳しかったせいか、神経質な性格で思い通りにならないと、かんしゃくをたびたび起こしていました。

14歳の時には手に負えなくなった親により精神病院に入れられたため、院内から自宅へ見捨てられたことによる怒りや恨みの手紙を送っていたというエピソードがあります。

その後、作家として成功をおさめながらも、3回もの結婚を繰り返したり、うつ病に陥ったりしたため、精神分析による治療を受けていました。

また、安住することにいらだちを感じ、放浪の旅に出たこともありましたが、晩年は治療の成果もあって静かな余生を送りました。

境界性パーソナリティ障害は他の精神疾患と併発しやすい

境界性パーソナリティ障害は、常に激しい感情の起伏を持ち合わせ、それゆえに周りの人とのトラブルを起こしがちです。

そのため、自分自身も深く悩んだり、理解されない苦しさを抱えたりすることも珍しくありません。

そのようなことが原因で、うつ病や不安障害、摂食障害などの精神疾患を併発することが多々あると言われています。

ひどい場合には、何かにすがりたくなり、薬物依存症やアルコール依存症に陥ることも稀なケースではありません。

また、境界性パーソナリティ障害の人は、無意識に周りからかけ離れた言動をしているため、「自分がパーソナリティ障害かもしれない」との自覚がある場合は少ないとされています。

境界性パーソナリティ障害が判明した人は、他の疾患の疑いを訴えて、医療機関などを訪れて発覚するというケースが多いようです。

【参考】パーソナリティ障害 – 厚生労働省

 

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