発達障害者に電話応対や接客は不向き?慣れる方法、上手くやるコツ

発達障害者に電話応対や接客は不向き?慣れる方法、上手くやるコツ

障害の有無に関わらず、電話応対や接客に苦手意識を持っている方は多いでしょう。

電話応対も接客も直接お客様との接点となる「会社の顔」ですので、緊張するのは無理もありません。

特に発達障害者の場合、電話応対や接客に苦手意識を持っている人が数多くいます。

電話応対はどんな職種でも多かれ少なかれ対応が求められる必須業務の一つですので、仕事を探す、仕事を続けていく上で避けて通れないことも多いでしょう。

そこで、発達障害者が電話応対や接客に慣れる方法も踏まえ、職場選びのポイントをお教えします。

発達障害者が電話対応や接客が苦手な理由

まずは発達障害と電話応対・接客の関係について考えてみましょう。

一般的にASD(自閉症スペクトラム)傾向の強い発達障害者は「コミュニケーションの障害」「想像力の障害」があると言われています。

会話が一方的になったり文脈を読んだりが苦手で、空気を読むことも難しいため、やりとりがスムーズにいかないケースが多くあります。

電話応対や接客はまさに「コミュニケーションの仕事」ですので、ASDの傾向が強い方にとっては「障害特性からして苦手な仕事」と言えるでしょう。

特に電話応対は相手の顔が見えません。対面以上に想像力を働かせる必要があるため、なおさら困難を伴います。

また、飲食店のホールやコンビニ店員などの接客業ですと、職場によってマルチタスクが要求されます。

発達障害の中でもADHD(注意欠如・多動性障害)傾向の強い方は、不注意によるミスがあったり、優先順位付けして効率的に仕事をこなしたりするのが困難です。

接客業は発達障害者にとってなおさら苦手意識を持ちやすい職業と言えます。

電話応対や接客を上手くやるコツ

仕事選びで接客業を避けたり、逆に障害をオープンにして働いたりといった選択肢もあります。

ただ、接客や電話応対を避ければ、働き口の選択肢が狭まってしまうのも事実。なんとか苦手を克服して、上手くやれるに越したことはないでしょう。

実は電話応対や接客には、障害の有無にかかわらず上手くやるコツがあります。

  • よくある質問や返す言葉などを付箋に書いて貼っておく
  • 対応が難しいことは上司やベテランにバトンタッチする
  • 折り返し可能な対応なら折り返し電話にて対応する

電話応対や接客は相手あってのものなので、「これをやっておけば間違いない」という裏技ではありませんが、ある程度「パターン化」できるため、予め会話を予測して理解しておけば慌てることはないでしょう。

また、もし対応が難しそうな場合は無理に一人で解決しようとせず、早めに上司やベテランの方に相談するのが最も安全な方法です。

一度お客様にお時間をいただき、別の人に対応を変わってもらえないか相談してみましょう。

マニュアル化すれば発達障害でも電話応対や接客が可能

電話応対や接客を困難にしているのは、「臨機応変な対応が苦手」「不注意によるミス」「順序立てて進めるのが難しい」という発達障害の特性が原因です。

そこで、先ほどお伝えした電話応対や接客を上手くやるためのコツをさらに明確にしたのが電話や接客の「マニュアル化」です。

電話応対をメインとするコールセンターなどでは「トークスクリプト」という会話の流れを記した冊子を配布することがあります。

注意点として、全スタッフ向けの大まかな「汎用マニュアル」ではなく、発達障害者のために細かい確認事項や手順を記した「自分専用マニュアル」を作成し、パターン化して対応できるようにするのがベストです。

既存のマニュアルがあればそれに追記修正する、もしくは既存の対応を自分なりにパターン化してマニュアルを作ってみるのも良いでしょう。

初めのうちは自分で作ったマニュアルを見ながらやっても上手くいかないこともあると思いますが、そんな時はマニュアルをバージョンアップするチャンスです。

上手くいかなかったマニュアルはどんどん改善を繰り返していくことで、どんなケースにも対応できるマニュアルが完成します。

「マニュアル通りに対応すればよいだけ」と思えば、自然と心の余裕も生まれて、次第に上手くこなせるようになっていくでしょう。

発達障害でも電話応対や接客ができる職場選び

ここまで、「発達障害者に電話応対や接客は不向き」という前提でお伝えしてきましたが、一概にそうとは言い切れません。

例えば、電話対応を要する業務で最たるものはコールセンターですが、これは意外と発達障害の方に向いている仕事の一つです。

なぜなら、先に挙げた「マニュアル化」が高いレベルで実現しているためで、既存のマニュアルを見れば誰でも対応できるような仕組みになっているのです。

また、接客業についても「自分の得意な所を活かす接客」なら発達障害者の得意とするところでしょう。

臨機応変な接客態度よりも「どれだけ知識があり、顧客のニーズに応えられるか」が重要な接客業もあります。

例えば、接客を要する仕事でも、家電販売員や図書館司書など「豊富な知識があり相手が望む商品・サービスをオススメすること」が重要な仕事なら、自分の得意を活かすチャンスです。

「電話応対はもうやりたくない…」「接客なんて絶対無理…」と端から諦めている方もいるかもしれませんが、出来る出来ないは実は「やり方次第」。

発達障害者でも「マニュアル化」することで電話応対や接客を上手くこなせますし、職場選びに気を付ければ、より生き生きと仕事ができる環境が手に入れられる可能性も十分あります。

苦手を克服、軽減する工夫をしてみることで、仕事の選択肢が広がるキッカケになるかもしれません。

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